2006年8月31日 (木)

汗の話し(その5)

早いもので8月も今日で終わりですね。明日からは9月ですが、今年も2/3が終わってしまいますね・・・ 予報によれば9月も暑い日が多くなって残暑が厳しいそうですが、だんだんと秋の気配も強くなって、暑いながらもさわやかな日になってくると思われます。セミの声も何だか夏の終わりを惜しんでいるように聞こえます。夕方になると秋の虫の鳴き声が最近大きくなってきて、声と共に涼しさを運んでくるようですね。残りの1/3も頑張っていきたいと思います。

さて、「汗の話し」の続きですが、体温調節をする場合、前回の最後でちょっとお話ししましたが、身体の回りの温度が高くなって「暑い~」と感じるようになると体温調節の反応は、まず服を脱いだりクーラーのスイッチを入れたりする「行動性調節」で身体を涼しくしようとします。例えば、クーラーが壊れてしまっていて「行動性調節」がうまく出来ない場合は、次の手段として皮膚の血管を拡張して体内の熱を放散させる(非蒸散性熱放散)「皮膚血管拡張」で体温を下げようとします。更に体温が上がってしまうと強力な熱放散の手段である「発汗(蒸散性熱放散)」が起こって体温を下げていきます。このように「汗をかく(発汗)」ことは一番強力な熱を逃がす方法ですが、身体の貴重な資源である「水」を必然的に使ってしまう最終手段であることが分かります。このように、体温を調節する仕組みが働く順番は、身体のエネルギーや水分の消費がなるべく少なくなるように、また、他の身体の機能に影響が少なくて、生存に有利な順番で行われています。

この「汗」がでてくる穴が全身の皮膚に散らばっている「汗腺」ですが、「汗腺」には「エクリン腺」と「アポクリン腺」というのがあって、体温調節には「エクリン腺」から出る汗が使われます。「エクリン腺」の穴は皮膚の小じわの溝に空いていて、汗腺から出た汗はこの小じわの溝を伝わって広がるので蒸発が促進される仕組みになっています。汗腺の総数は200万~500万といわれていますが、すべての汗腺に発汗能力があるのではなくて、一部の汗腺(能動汗腺)だけが働いています。この能動汗腺の数は日本人で約230万といわれていて、ロシア人(約190万)よりは多く熱帯のフィリピン人(約280万)やタイ人(約250万)よりは少ないといわれています。日本人でも熱帯で生まれたり、幼児期に熱帯に移住した人は日本で生まれ育った人よりも能動汗腺の数が多く、能動汗腺の発達は2~3才までにおこるようで、成人してから移住した人では20年以上熱帯に住んでも能動汗腺の数は増えないとのことです。

汗は汗腺の「腺体」というところで作られますが、その内容は体内の水分と塩化ナトリウム(NaCl)、他にミネラル分が微量に含まれます。大量に汗をかいたときには水分だけでなく食塩やミネラルも補給する必要があります。以前(5月22日)、「お水を回そう!!」というお話しでもありましたが、日本人はミネラル分の多い硬水よりも軟水の方が身体に合っているといわれていますので、軟水でできれば身体に吸収しやすいクラスター(水の分子のかたまり)の小さなお水をおすすめします。

「汗の話し」も今回で5回目ですが、緊張したときに起こる「精神性発汗」のお話しや、「睡眠時の体温」、「冬眠」のお話しなどもしたかったのですが、「汗の話し」は今回の5回目でいったん終了させてもらいます。一つの話題を何回かに分けてお話しするのは前後関係をうまくつなげるのが結構大変で、何だかわけが分からなくなってしまいますね。今度からはできるだけ一話完結でお話しをまとめたいと考えている今日この頃です。

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2006年8月16日 (水)

汗の話し(その4)

お暑うございます。お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?当竹園カイロプラクティックセンターは通常通り日曜定休のみで営業いたしておりました。いつもよりはちょっと暇なんですが、お盆の時期はお医者さんがお休みのところも多く、毎年急性の腰痛でお困りの方が何名かいらっしゃいます。今年もいらっしゃいました。お大事にして下さいね。

台風のせいか何だかスッキリしない天気で、結構夏風邪をひいている方も多いようですね。この時期の風邪は治りにくいので注意してください。台風10号(ウーコン)がよろよろした動きで西に向かっているようで、明日17日(木)には九州南部に上陸するようなコースを取っているようです。九州地方はまたまた大雨となってしまいそうですね。台風11号(ソナムー)も何だか不気味に日本に近づきつつあるようですので、天気予報を小まめにチェックする必要がありますね。

さて、「汗の話し」の4回目ですが、今回は身体のどこで温度を感じているかということをお話ししていきます。体温を調節するためにいろいろなことを行うというお話しをしてきましたが、実際に身体のどこの温度情報が重要かということが分からないといけません。体温調節の大切な役割は核心部の「脳」の温度を保つことですから、「脳」の温度を調節するのであればそこの温度を測ればよいだろうということは予想できます。いろいろな実験によって脳内の「視索前野」と「前視床下部」を暖める(加温)することによって、皮膚血管拡張や発汗を誘発して、冷やす(冷却)することによって皮膚血管収縮やふるえを引き起こすことがわかっています。また、脊髄にも温度検出する場所が広く分布しているといわれています。更に腹腔内(お腹の中、主に内臓)や骨髄でも温度検出の部位があるといわれています。

最も広く温度を感じるセンサーとしての役割はもちろん「皮膚」にあります。ヒトや動物が急に高い温度や低い温度にさらされたときには体温調節反応は身体の深部の温度が変化する前に起こって、場合によっては秒単位で反応が現れるといわれています。このことは皮膚に分布している温度受容器(センサー)の働きによるもので、このセンサーはもちろん全身に分布しています。皮膚の温度情報は体温調節に重要な入力とはなりますがそれ自身が調節されるわけではないと言う意味で、「脳や脊髄」などの深部温とはちょっと役割が違っています。皮膚の温度が一定になるように体温調節系が働いているのではなくて、皮膚のセンサーからの信号が環境の温度情報を伝えるということに機能的な意味であると考えられています。つまり、皮膚で温度を感じてその情報が「脳の視索前野や前視床下部」、または、「脊髄」などで暑い、寒いなどを判断して体温調節を行うように命令が出されるという仕組みになっているようです。

体温の調節、特に暑さに対応する調節を行うための順番としては、はじめに「行動性調節」、次に「皮膚血管拡張」、その次に「発汗」という順番で働いていくといわれていますがそのわけは次回で説明します。まだまだ引っ張りますね~ そろそろ閉めて欲しいのですが・・・ 次回をお楽しみに。

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2006年7月28日 (金)

汗の話し(その3)

23日の大暑を過ぎても梅雨明けとはなりませんが、ここ何日かは曇り空ながらちょっと蒸し暑くなってきましたね。来週早々にはいよいよ梅雨明けになるとか。ようやく夏がやって来ますが、夏になったらなったで寝苦しい夜がやって来るとなるとちょっと夏バテ対策を考えないといけませんね。来週の金曜日の8月4日は土用二の丑ですからまたまたうなぎでも食べて夏を乗り切りたいものです。でもうなぎの値段がちょっと高いのが気になりますが、安いとは言え中国産のうなぎにはちょっと手が出にくいですね・・・

さて、環境の温度によってその地域に対応するために身長を高くしたり低くしたりして進化の過程をたどって来たのではないか(ベルクマンの法則)というお話しを前回しました。このことは、体温を維持するためではないかと言われていますが、私たちヒトは体温調節のために色々なことを行っています。例えば暑い夏の日は無意識のうちに汗をかいたり、体表近くの血管が拡張して熱を捨てようとします。また、意識的に衣服を脱いだり、うちわで顔をあおいだり、水浴びをしたりする場合もあるでしょう。この無意識に起こるものを「自律性体温調節」と言いますが、水浴びなどの意識的に行うものを「行動性体温調節」と言います。

ワニやカメなどの「変温動物」は体温調節を行わないのではなくて、この「行動性体温調節」によって朝のうちは日光浴をして身体を暖めたり、暑くなってくると日陰で涼んだり、水の中に入ったりして体温の調節を行っています。ヒトを含めた「恒温動物」が「行動性体温調節」をしなくても体温を保てるのは「自律性体温調節」ができるからですが、「変温動物」との大きな違いは、「恒温動物」が高い代謝機能で熱源を身体の中に持っているのに対して、「変温動物」は代謝が低いために熱源を身体の外に求めなければならないところです。

また、一概に体温といっても全身が同じ温度ではありません。体温の温度差は環境の温度によっても変わってきます。寒い環境にいる場合、体温の比較的高い(37℃)の部分は頭(脳)と胴体(内臓)部分に限られて、腕や脚の温度は低くなります。逆に暑い温度の場所にいる時は、高温部(37℃)は全身の皮膚のすぐ下まで広がります。身体の中心部、「核心部(core:コア)」と呼ばれる部分の温度は環境の温度にかかわりなくほぼ37℃と一定に保たれています。これに対して環境の温度によって変化する身体の外側の部分は「外殻部(shell:シェル)」と呼ばれています。

「核心部」には脳や内臓が含まれていますが、脳の細胞は温度の変化、特に高温に対して非常に弱く、「核心部」の温度すなわち「脳の温度」を一定に保つことこそが体温調節の重要な機能といえます。

「汗の話し(その3)」と言いながらなかなか汗の話しになりませんが体温を維持することが理解できないといけませんので・・・もうちょっとお付き合い下さい。

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2006年7月21日 (金)

汗の話し(その2)

先週は蒸し暑い日が続いて夜はちょっと寝苦しかったですが、今週は何だか雨の日が多くてすっかり涼しくなってしまい、夏を通り越して秋になってしまったのではないかと思ってしまいます。長野や島根では豪雨による河川の氾濫や土砂災害が次々と伝えられてきます。梅雨明けはまだ先のようですが、学校は今日から夏休みですね。こんな陽気だとあまり夏休みといった感じではありませんが、セミの声がちょっと聞こえて来ましたね。

さて、前回から始まりました「汗の話し」ですが、汗の話しをする前に汗ととても関係の深い体温の話しをしたいと思います。なぜなら、前回もちょっとお話ししましたが、汗をかくということは体温を一定にするために、暑さなどで上昇しようとする体温を汗が蒸発する時の気化熱で身体を冷却するための仕組みの一つだからです。ちなみに熱は「伝導」、「対流」、「放射」、「水分蒸発」の四つの形で身体から体外の環境へ移動します。

さて、「身体が温かい」ということは古くからヒトの興味をひいて来たことで、紀元前では神様から授けられた熱が生命の源であると考えられていました。その後、熱は心臓で作られて血液によって身体の各部に送り込まれるとの説が16世紀中ごろまで有力に支持されていたようです。その他に、熱は血液と血管壁との摩擦の結果生じるという説や、体内に吸収された栄養素の発酵の結果生じるといった説も唱えられていたようです。

「燃焼」が熱の源であるということは18世紀中ごろ「質量保存の法則」を発見したフランスの科学者アントワーヌ・ラヴォアジエによって初めて主張されて、動物でカロリメトリー(熱量計)を用いての実験が始められました。余談ですがラヴォアジエは裕福な生まれでしたが実験の費用を作るために市民から国王に税金を引き渡す「徴税請負人」の職に就いていたためにフランス革命の革命裁判で死刑の判決を受けてギロチンに掛けられました。

恒温動物という概念と体温調節の基本概念が、19世紀半ばにカール・ベルクマンによって初めて主張されました。彼は「恒温動物においては、同じ種でも、寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では、大型の種ほど寒冷な地域に生息する」という「ベルクマンの法則」を1847年に発表しました。このことはアジア大陸に生息するクマを例に取ると、熱帯のマレーグマは体長約140cmともっとも小柄で、日本を含む温帯に生息するツキノワグマは130~200cm、温帯から寒帯に分布するヒグマは150~300cmと寒冷地のクマほど大きいことがわかります。

恒温動物は体温を常に一定に保つために体内ではいつも熱の産生が行われていて、反対に体表面では熱が放出されています。体内での熱の生産量は体重にほぼ比例して、放出される熱の量は体表の面積にほぼ比例するのですが、体長に対しては熱の生産量は体長の3乗に比例して、熱の放出量は体長の2乗に比例することになります。このことは体長が大きくなることで体重当たりの体表面積が小さくなることを意味します。暖かい地域では体温を維持するためには熱を放出する必要があるために体重当たりの体表面積は大きくなければならないので小型である方が有利で、寒い地域では熱の放出が多くなるので体温を維持するためには放熱を抑える必要があるために大型の方が環境に適応できるというわけです。北欧やロシアの人たちは大柄で、東南アジアの人たちは小柄なのもこのような適応の結果なんですね。

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2006年7月14日 (金)

汗の話し(その1)

すっかりご無沙汰してしまいました。7月11日(火)に更新しようとしたらココログのメンテナンスで更新できませんでした・・・ トホホ・・・ ワールドカップも終わってしまい(話題としてはちょっと古臭くなってしまいましたね)、「ジダンの頭突き事件」の内容が取りざたされていたり、各国の代表監督の去就が話題となってきましたね。JリーグもJ1が再開され、次回4年後のワールドカップ南アフリカ大会への戦いが早くも開始された感がありますね。次回大会には決勝トーナメントを勝ち進み、優勝なんていう高望みはしませんがベスト8くらいにはなってもらいたいところです。何でもワールドカップ後の日本のFIFAランキングは18位から49位に急落したようで、算定方式が変わったとのことですがちょっと残念です。若い力に期待します!!

ところで、ここ数日30℃を越す蒸し暑い日々が続いておりますが皆様は体調など崩しておりませんでしょうか。ご存知のように、ヒトは「恒温動物」で、環境温(気温や室温)が変化しても体温(深部体温)はほぼ37℃という狭い範囲に維持すること(体温調節)ができます。実はヒトは体温調節の点でも優れた種類の動物と言えそうです。ネコやラット、スズメなどは環境温と共に体温が少しずつ上昇する傾向にありますが、ヒトは環境温が0℃~50℃まで変化しても体温はほぼ37℃を維持することが出来ます。これはヒトが汗をかくことが出来るためで、短時間であれば150℃でも耐えることが出来るそうです。このように他の種類の動物は暑さを避けて日陰で静かにしていなくてはならない時にも、ヒトは炎天下で行動できるため高温に対する体温維持機能がヒトという種を世界中に蔓延させた一因であると考える説もあるそうです。寒い国から熱い国、海の地域から未開の山奥の地域まで世界中どこへ行っても必ずヒトが生活していたりその痕跡が残されていたりするのもなんとなく理解できますね。これから、汗についての話しをちょっとしていきたいと思います。今日は「その1」ということで次回以降に続きます。

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2006年2月25日 (土)

ゲルマニウムって何??

ゲルマニウム(Ge)は1885年にドイツのウインクラーが発見し、母国の古名ゲルマニア(Germania)にちなんで命名されました。ゲルマニウムは反応性に乏しい元素で発見後あまり利用されませんでしたが、後に半導体として広く利用されるようになりました。昔、ゲルマラジオなんて言う組み立てラジオのキットがありましたよね・・・うっ、歳がばれる・・・

半導体とは、電気を通す導体や電気を通さない絶縁体に対して、それらの中間的な性質を示す物質で、導体は温度が上がると金属結晶の中の原子のゆれが大きくなるため自由電子の通過がじゃまされて電気抵抗が大きくなりますが、ゲルマニウムは半導体なので温度が高くなると電気を通しやすくなる性質があります。

ゲルマニウム温浴で使用する有機ゲルマニウムは日本人の浅井一彦博士によって1967年に世界で始めて精製に成功しました。有機ゲルマニウムには、体内の酸素不足を解消する働きがあると共に血液や細胞の新陳代謝をうながして体力を増進させ、患部の病的な状態を解消したり、酸素に代わって体内の老廃物を体外に排出したりする性質を持っているので、美容にも大きな効果をもたらすと言われています。食べ物ではサルノコシカケ、朝鮮人参、クコの実、アロエの葉、にんにくなどに比較的多く有機ゲルマニウムが含まれています。

他にも骨代謝を高めたり、免疫機能のバランスを整えたりする働きがあると言われていますが、今日のところはこの辺で終わりにします。続きはまた別の機会に・・・

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