2006年6月 2日 (金)

骨と牛乳・・・その5

昨日は各地で30℃を超える気温だったようで梅雨の前のつかの間の晴れ間と言ったところでしょうか。今週中は何とか天気がもってくれるようですね。来週からはうっとうしい季節がとうとうやって来るようです。

さて、前回に引き続いて「骨と牛乳」の第5弾です。前回までは牛乳の歴史と乳糖不耐症のことについてお話ししました。牛乳は日本人が古くから摂っていた食品ではなくて、母乳を含む牛乳などの「乳」は離乳した哺乳類は摂らないのが生物として普通のことで、寒冷地や砂漠などの作物が育たない地方の人々が生きる糧としていろいろと長い間工夫して、身体の仕組みを変えてまでして摂ってきたという歴史があるということをお話ししました。これまでのお話しから世間一般で言われているように「牛乳は完全栄養食」と言うことは到底考えられないと言えます。

ちなみに、小腸で消化されなかった乳糖が大腸に運ばれると、乳糖は大腸の腸内細菌によって発酵されてガスと二酸化炭素と乳酸に変化し、また乳糖の分子が浸透圧作用によって腸内に水分を引き寄せてその結果腸内にたまるガスと水分の量が増加して、腹部膨満感やけいれん、げっぷ、放屁状態、場合によっては水溶性下痢の原因になると言われています。ヨーグルトは乳酸菌によって乳糖が乳酸に変化しますが乳糖も多く残っているので大腸で同じようなことが起こります。「ヨーグルトを食べたら便秘が治った」と言う方もいるかと思いますが、これはヨーグルトによって軽い下痢になったために腸内にたまった便が排出されたためと思われます。

「骨粗しょう症の予防に牛乳を飲みましょう」などとよく言われています。「牛乳のカルシウムは小魚などのカルシウムに比べて吸収が良い」などとも言われていますが、確かにそのとおりで吸収は良いのですが、牛乳のカルシウムによって血中のカルシウム量が急激に上昇すると血中のカルシウム濃度を一定にしようとするために、腎臓から尿中にカルシウムを排泄しようとする機能が働きます。つまりカルシウムを摂ろうとして牛乳を飲むとかえって体内のカルシウムを減らしてしまうということが起こっているのです。このことは牛乳を多く摂っているアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で骨粗しょう症が多いという調査結果からも裏付けられています。日本人はカルシウムを小魚や海草類、豆類などから摂ってきたので血中カルシウム濃度を高めるほど急激に吸収されることはなかったので以前は日本には骨粗しょう症などなかったといわれています。

「それじゃあカルシウムはどうやって摂ればいいの?」と言うことになりますが、先程のお話にもありましたが、カルシウムはある特定の食品群から供給されるわけではなく、いろいろな食品に含まれています。先程挙げられた魚介類や海藻類をはじめ豆類や野菜類にもカルシウムは含まれています。和食中心のバランスの良い食生活を送っていればそれ程気にすることはないように思われます。

アメリカ流の食生活が日本人を身体からも心からもダメにしていると言われています。先日ディズニーがマクドナルドにディズニーキャラクターの使用を止めるように伝えたというニュースがありました。ハンバーガーをはじめとするマクドナルドの食品が子供の身体に悪影響を及ぼしているという理由だそうです。アメリカのお金持ち(上流階級)は健康には特に気を使っているそうで、日本食などのヘルシーといわれている食べ物への興味が高いそうですがすが、庶民層はそんなことにはお構いなくハンバーガーやピザをバクバク食べているようです。たまにハンバーガーを食べるのも悪くはないと思いますが、もっと日本食を見直して病気にならない身体作りを考えたいものです。と言うことで「骨を強くするために牛乳を飲もう」と言う考え方は今すぐ捨てましょう。でも、いろいろな考えをお持ちの方がおりますので「それでも牛乳を飲む」と言う方は飲みすぎに注意しましょう。「骨と牛乳」シリーズはとりあえずこれでおしまいです。別の機会に今度は骨とカルシウムのことについてお話ししたいと思います。

| | トラックバック (0)

2006年5月31日 (水)

骨と牛乳・・・その4

早いもので5月も今日で終わりですね。明日からは6月になってしまいます。うっとうしい梅雨の季節がもうそこまで来ています。ちなみに今日は世界禁煙デーだそうです。私も以前は喫煙者でしたが、8年程前に禁煙宣言をしてから今日までタバコを口にしたことはありません。7月からはタバコの値段も上がるとか。これを機会に禁煙を始めてはいかがでしょうか。5月は今日を含めて7回の更新となりました。更新回数が激減ですね・・・言い訳がましいのですがここのところ夜ちょっと忙しい日が多かったので・・・来月からは週に2回ぐらいを目標にしたいと思います。

さて、前回の5月26日(金)「骨と牛乳・・・その3」の続きです。前回は大多数の正常な人達に「乳糖不耐症」と言う名前が付けられてしまうのは人種によってその割合が大きく違ってくるのです、と言うことで終わってしまいました。人種によって成人になっても乳糖分解酵素である「ラクターゼ」の分泌が行われている「正常」と呼ばれている人達の比較的多い人種が世界中にはあります。それはヨーロッパ人とアメリカの白人、アフリカの砂漠周辺で生活している人達(遊牧民)に限定されていることが分かっています。北欧やスイス、アメリカの白人では「乳糖不耐症」の人の割合は10~20%ですが、日本を含むアジア人、およびアフリカ人、アメリカの黒人では70~100%が「乳糖不耐症」に分類される調査結果が1970~80年代に出されています。つまり、寒い地域や乾燥した地域で長い間生活してきた人種に成人になってもラクターゼの分泌を行う「正常」な人の割合が多いと言うことができます。寒い地域や乾燥した砂漠地帯は人の食用作物の栽培には適さないために、このような地域で生活に必要な食料を得るためには人が食用にできない「何か」を食べることで生活せざるを得なかったのではないかと言われていて、この何かが動物の乳であったと言われています。具体的には寒冷地では牛や馬、ヤクなどが、乾燥地帯ではヤギ、ヒツジ、ラクダの乳が利用されていたようです。「乳糖不耐症」と言う名前も世界的な医学の権威はアメリカの白人が多かったりするわけで「正常」とする彼らからすると生物としては正常と思われるアジア人やアフリカ人は「異常」となってしまうのでしょうか・・・

「乳糖不耐症」の人でも飲める「乳糖分解乳」が売られていますが離乳した成長期の子供達や成人が無理して摂る食品ではないように思います。このように牛乳からカルシウムを摂ることには無理があると最近では有名な方々がいろいろな著書の中で述べられていますが、2001年に出版された「牛乳神話完全崩壊(外山利通著)」と言う本はウソかホントかは分かりませんが、どこぞの団体の圧力よって販売自粛になったとか・・・古本で手に入りますが、ネットでも「牛乳の飲みすぎに注意しましょう!-牛乳神話完全崩壊<2004年版>(外山利通著)」は手に入りますので興味のある方は読んでみてください。まあ、多少の誇張や大げさな言い方はあると思いますが・・・次回は牛乳から摂るカルシウムについてお話しします。この件はあまり引っ張らないであと何回かで完結したいと思っている今日この頃です。

| | トラックバック (0)

2006年5月26日 (金)

骨と牛乳・・・その3

昨日は5月らしいさわやかな天気で気持ちが良かったですね。今日は曇りがちで午後は怪しげな黒い雲もでてきてようで、天気予報では夜にまた雨が降るとのこと。週末は残念ながら雨のようですね・・・

さて、4月21日に「骨と牛乳・・・その2」のお話しした続きをします。前回は敗戦によって牛乳が飲まれるようになり、そのまま止めれば良いものを牛乳を飲むことを続けてしまっていろいろな問題を引き起こす下地となっていったというところまでお話しました。今日は日本人には牛乳は合わないというお話しです。1963年にダルクヴィスト達の研究によってラクターゼ(乳糖分解酵素)の欠乏が成人の乳糖不耐症(乳糖を消化できない人)の原因と報告されてから、食品としての牛乳の栄養についていろいろと議論されてきました。まず、「ラクターゼって何」ってところからお話しします。「ラクターゼ」は乳糖を分解する酵素です。「乳糖って何よ」ってお話しですが、乳糖は牛乳に含まれている主な糖質(炭水化物)のことで、二糖類の乳糖はブドウ糖(グルコース)とガラクトースという二つの単糖類から構成されています。この乳糖を含んでいる物質は哺乳動物の乳汁以外にはありません。1リットル当たりの乳糖の含有量は牛乳で約45g、人乳で約75gです。牛乳を飲んでこの乳糖が腸から吸収されるためには先程の二つの単糖類に分解されなくてはなりません。この単糖類に分解(加水分解)する酵素が「ラクターゼ」ですが、小腸の空腸と呼ばれる部分にラクターゼを分泌する細胞が最も多く集まっていると言われています。ラクターゼの活性が始まるのは妊娠第三期(七ヶ月以降)の胎児の腸の中で活性がピークに達するのは出産直後です。ほとんどの子供の小腸におけるラクターゼの活性は生後一年半から四年の間に徐々に低下していきます。離乳時を境にラクターゼの活性は低下するわけですが、それはそうですよね。もう母乳を飲まなくなるわけですから。離乳時を境に今度はアミラーゼ(でんぷんを加水分解する酵素)が活性を高めることで炭水化物を消化して栄養として取り込もうとする仕組みに移行していくわけですね。これは成長過程における正常な生理的変化で人以外の哺乳類にも離乳期は見られるそうです。成人でラクターゼの分泌が見られる日本人は5~21%しかいないと言われていて、約80~95%の日本人(成人)はラクターゼの分泌が止まってしまった「乳糖不耐症」と言われ、牛乳を飲んでも消化されずに下痢してしまう人達です。大多数の生理的に正常な人達に「乳糖不耐症」などと言う名前が付けられてしまう訳は、人種によって成人になってもラクターゼを持っている割合が大きく違っていることによっています。このことについては次回に詳しくお話ししますので今日はこの辺で失礼いたします。

| | トラックバック (0)

2006年4月21日 (金)

骨と牛乳・・・その2

今日は朝から、日が差したり、急に雨になったり、また日が差したと思ったら急に曇ったりと何だか変わりやすい天気でしたね。どこかでヒョウが降ったといううわさも耳にしましたが・・・

さて、4月12日に「骨と牛乳・・・その1」のお話しをしましたが、今日はその続きをお話ししたいと思います。牛乳屋さんにはちょっと申し訳ないのですが・・・前回は牛乳が一般大衆に広まったのは戦後の脱脂粉乳がきっかけとなったようです、というところで終わっていたかと思います。日本は第二次世界大戦で敗北したわけですが、戦後の食料難はひどいものだったと話に聞いております。私はその時代に生きていませんでしたので、親から聞かされてはいましたが、実際にどんなものだったかは分かりませんが・・・とにかく、戦後の日本の栄養状態はひどいもので、この対策として当時日本を占領していたアメリカが日本人の食文化に合わないパン食、肉食、牛乳を日本に大量に持ち込んできたのです。これは、心の優しいマッカーサーが日本人の食べている粗食を見て、これはいけないとアメリカ式の食事を日本の特に学校給食に取り入れました・・・などと美談として語られているようです。ところがこれはアメリカでダブついている小麦や脱脂粉乳を占領下の日本へ押し付けていた、当時のアメリカの世界戦略であったといわれています。占領下の日本では飢えていた人々を助けるためにはいたし方ありませんが、進駐軍が撤退した後もこの状態が続いたところに問題があったと言われています。本来の日本食に戻すべきだったと・・・わが国の食文化史上最大の過ちは牛乳を取り入れた学校給食だといわれています。これらの話しの真偽は分かりませんが自分なりに考えると納得させられる部分も確かに多いのでお話ししています。今日のポイントは、一般市民の間で本来牛乳を飲む習慣が無いにもかかわらず、アメリカの都合で日本の食文化に合わない牛乳を敗戦と同じくして取り入れたことで今後いろいろな問題を引き起こす下地となっていくということです。

それ程食品として牛乳はすばらしいのでしょうか?「牛乳を飲まないと大きくなれませんよ!」と小さい頃よく私も言われて飲まされましたが、小学生の頃は朝礼でも前から2~3番目程度でけっして大きい方ではありませんでした。だから余計に言われたのかも知れませんが・・・現在でも172cm程度ですがそれ程背の高い方ではありません。どうしてなんでしょうか?あんなにたくさんの牛乳を飲んだのに・・・この続きはまた今度・・・

| | トラックバック (0)

2006年4月12日 (水)

骨と牛乳・・・その1

何だか今日は変な天気でしたね。朝は雨でちょっと肌寒い感じでしたが、午後は暖かくなって・・・体調を崩されている方が多いようですね。風邪をひいてしまわないように気を付けてください。

さて、3月24日のブログ「カルシウム・・・の役割」のなかで、牛乳のことについては後日お話ししますみたいなことを書いていましたので、牛乳のことについてお話ししたいと思います。今日は、日本における牛乳文化の歴史についてお話ししたいと思います。

日本では七世紀の中ごろ孝徳天皇(644~654)の時代に、帰化人の善那が牛乳を搾って天皇に献上したという記録が残されているようです。平安時代の頃には牛乳から酥(そ)を作り、酥から酪(らく)を作ってこれを精製したものが醍醐(だいご)といったチーズのようなものが作られて、この醍醐が無上の珍味として京都の貴族の間では大変珍重されていたようです。この醍醐が「醍醐味」という言葉の起源になったということをこの間、「食育」をうたう服部幸應先生がお話していたのをたまたま聞きましたが・・・それから鎌倉時代以降、江戸時代の八代将軍吉宗(1684~1751)がオランダ医学の影響によって取り上げるまで牛乳や乳製品は歴史の舞台から姿を消してしまいました。吉宗が蘭学を一部解禁した時に医書によって牛乳の大切なことを知って牛乳が飲まれるようになったようですが、将軍家などの権力者階級の間に限られていたようです。明治維新によって西洋の文化が流入することによって文化人の間でも牛乳や乳製品が摂られるようになり、明治3年(1869)に牛馬会社が結成されましたがそれ程注目されなかったようです。一般庶民の間に広く普及したのは戦後のことになるようです。脱脂粉乳がきっかけとなったようですが今日のところはこの辺で、この続きはまたあらためてご紹介します。

| | トラックバック (0)

2006年3月29日 (水)

春の季節に外反母趾

今日は朝からの強風で、洗濯物やゴミ置き場のネットが飛ばされたり、自転車やバス停の標識が倒されたりしているようですが、大丈夫でしたか?筑波宇宙センター脇の桜の木も一分咲きくらいになったでしょうか。春の嵐が開花に影響しなければ良いのですが・・・

もうすぐ4月ですねー。今年も1/4が終わろうとしています。早いですねー。春になると服装も春らしくさわやかな装いになってきますし、新社会人や新入生の姿も多くなってきます。新しい服や靴を履くことが多くなって来るかと思います。そこで今日は「外反母趾」についてお話ししたいと思います。

「外反母趾」は、足の親指が外側の小指側に曲がってしまい、親指の付け根が内側に飛び出して靴に当たって擦れるために痛みが出る場合があります。原因は靴にある場合が多いのですが、一般的には「ハイヒールのようにかかとが高く、足先の細くなった靴を履くと親指が圧迫されて変形や痛みが出てくる」といわれています。しかし、あまりハイヒールと縁のない中高生が親指の痛みで来院することもあり、また、原因についてそのメカニズムを突き止めた研究の結果、「足の横幅の狭い靴の両端(内側と外側)から親指の付け根の骨(第一中足骨)と小指の付け根の骨(第五中足骨)に加わった摩擦力によって足の両端がめくれ上がるような力が加わると、足の前に方にある骨(楔状骨、立法骨、中足骨、基節骨)に影響を与えることで起こる」といわれています。細かく説明すると解剖学的な言葉が多くなるのでここでは話しませんが、一般的に言われているハイヒールのような靴以外にも「外反母趾」になる場合があることはご理解ください。足の横幅の狭い靴(ハイヒールも含まれると思いますが)がなりやすいのでご注意ください。足の骨の動きをつけたりテープで改善する場合が多いですが、自分の足に合った靴を選ぶことが一番大切だと思います。詳しく知りたい方、「外反母趾」の痛みでお悩みの方はご相談ください。

| | トラックバック (0)

2006年3月27日 (月)

ポキポキ音

今朝、筑波宇宙センターの脇の桜を、東大通りを車で走りながら眺めていましたが、一つ二つポツリポツリと咲いている程度でした。今日の暖かい陽気で明日はもう少し開くでしょうか。都内ではもう結構咲いているようですが、このあたりは都内に比べるとやはりちょっと気温が低いのでしょうか。今週末は天気も良さそうですのでお花見日和になるといいですね・・・

さて、カイロプラクティックのイメージとして骨格を矯正するときにポキポキッとかバキバキッとかいう音がするものだと思っている患者さんが結構いらっしゃいます。最近はあまり見なくなりましたが、テレビの深夜番組などで罰ゲームとしてカイロプラクティックの施術を受けて派手なリアクションをするお笑い芸人の方々のイメージが強いのでしょうか。今日は何であのポキッという音がするのかについてお話します。

あのポキッという音は、キャビテーションという現象のために発生した気泡が関節内の関節軟骨に衝撃を与えるために起こります。尚、その際にこの衝撃が関節軟骨を微妙に破壊して虫食い状の疲れ破損を起こして関節軟骨を傷つけてしまいます。この傷を修復するために一時的に関節軟骨が肥厚して、これが度重なると関節が太くなってしまったりします。このキャビテーションは液体の流れの中で圧力が飽和蒸気圧より低くなったときに液体が蒸発したり、溶存気体の遊離で気体が生じたり、気泡が生じたりする現象です。このようにポキッという音によって関節が微妙に壊されているわけですから、当院ではなるべくこの音をさせないような施術方法を使って骨格の矯正を行います。たまに「ポキッとしてくれないとカイロを受けたような気がしない」とおっしゃる方もおりますが、このようなことを知ってしまうとむやみにポキポキできなくなってしまいます。反対にポキッとやらなくても関節は矯正できますので当院ではそのような安全で確実な方法で施術しております。カイロプラクティックに恐怖心を抱いてる方、一度当院へご来院下さい。

| | トラックバック (0)

2006年3月24日 (金)

カルシウム・・・の役割

「骨が強くなるようにカルシウムを取りなさい」とか、「怒りっぽいのはカルシウムが足りないからだ」と言う会話を耳にすることがあるかと思います。カルシウムは身体にとってとても大切なものには変わりありません。その多くの場合は骨との関係で語られることが多いようです。「カルシウム=骨」というイメージが強いのではないでしょうか。人体における無機質の中でカルシウムの含まれる量は体重の約1.4%と多量元素(Ca,P,K,S,Na,Cl,Mg)の中では一番多いといわれています。ちなみに、体内に含まれる元素の90%以上はC炭素、H水素、O酸素、N窒素によって構成されています。

さて、生理学や生化学を勉強された方ならご存知のとおり、カルシウムは人体にとってとても重要な栄養素です。血液中には1リットルあたり100mgほど含まれており、心臓の規則的な鼓動を保ったり、神経伝達や筋肉の収縮等には欠かせません。また、血液中のカルシウムの濃度は極めて一定に保たれていて、乱れが生じると脳や心臓の働きに異常が生じてしまいます。

カルシウムは十二指腸の粘膜で吸収されますが、吸収率はおよそ10%と低いため一度にたくさん取っても吸収され難いため、毎回のお食事で少しずつ補うことが大切です。豆類や緑色野菜や鰯、鮭などの魚類に比較的多く含まれています。カルシウムといえば牛乳ですが、牛乳は人間にとって良い食品ではないので・・・牛乳につきましては改めて個別にお話ししたいと思います。

人間の神経伝達や浸透圧のバランスにとってカルシウムはとても重要な役割を果たしています。その生命維持にとても重要なカルシウムを骨の中に蓄えることで、骨は体を支える役割とカルシウムを貯蔵する役割を担っています。カルシウムを骨に取り込むのに必要なものがありますが、そのことはまた別の機会にお話しします。

| | トラックバック (1)

2006年3月10日 (金)

骨のお話しその1

今日は骨(正確には「ほね」ではなくて「こつ」です)について話したいと思います。

難しい言葉は極力使わないようにしたいと思いますが、誤解があるといけないのでちょっと「骨の構造」について説明します。解剖学で言うところの「骨は形状により成り立ちは異なるが、骨膜、軟骨質、骨質、骨髄からできている。」と専門書には書いてあります。世間一般で「骨」と言った場合は「骨質」を指していることが多いと思われますので、「骨」と言った場合は「骨質」のことを言っているとご理解ください。更に「骨質」は表面の緻密骨と内部を占める海綿骨からなっていて、これらは「骨細胞」と「基質」で構成されています。「骨の構造」と言った場合はこの「基質」のことを言っているとご理解下さい。「骨を強くするためにはカルシウムをしっかりとらないといけませんよ!」と言うときはこの部分を指している場合が多いと思われます。

さて、この「骨の構造(基質)」ですが、膠原繊維(コラーゲン、にかわ)とカルシウム(リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなど)で出来ています(有機成分の非コラーゲン蛋白はここでは省略します)。構造物に例えると膠原線維は鉄筋に、カルシウムはコンクリートに例えることができます。最近は耐震強度偽装問題などで鉄筋の数が多い、少ないなどといっておりますが・・・さて、人間の骨格も構造物ですからその目的や機能によって力学線を考えてまずは鉄筋を組みます。これが骨における骨梁(力線に沿った海綿骨の層:骨のはり)です。それからコンクリートを流し込みます。骨質はコンクリートと同じで均一構造をしていますから、機能強度を決めるのは鉄筋であってコンクリートではありません。一度出来た構造物に後から鉄筋を入れて補強することは人間の骨も偽装マンションも難しいことです。ですから成長期までにしっかりと骨を造ることが大切です。そのためには子供時代の生理的な運動が大変重要なのです。家の中でゲームばかりしていないで外でしっかり遊ぶことが身体を造るためにはとても重要なことなのです。

カルシウムの話しをしたいところですが、今日のところはこの辺で、続きはまた今度お話します。

| | トラックバック (0)